2006 Fiscal Year Annual Research Report
エクオール産生と乳がんリスクの関連およびエクオール産生能の規定因子に関する研究
Project/Area Number |
18014008
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江崎 孝行 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90151977)
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Keywords | エクオール / 大豆摂取 / 腸内フローラ / 乳がん / エストロゲン |
Research Abstract |
エクオール産生と乳がんリスクとの関連性を評価するため、乳がんのケース・コントロール研究参加者(ケース160名、コントロール455名)の尿サンプルを用い、尿中エクオールおよびダイゼイン、ゲニスタイン等のイソフラボン代謝物を測定した。尿採取はケースでは手術後で乳がん治療開始前、コントロールは乳がん検診受診時においての部分尿を用いている。エクオール測定感度は0.04nmol/mlで、エクオールの尿中同定の有無と乳がんリスクとの関連を計算した。尿中にエクオールが同定された女性はそうでない女性に比べ有意に低い乳がんリスク(OR=0.3)が認められたが、ケースは術中の抗生剤使用によりエクオール産生能が低下した可能性も考えられた。そこで現在、改めて手術前に採取された血清を用いてエクオール測定を行っている。あわせて使用抗生剤の種類によるエクオール産生への影響、手術前後のサンプル比較によるエクオール産生の有無についても評価する予定である。 エクオール産生と腸内細菌に関する研究の参加者は現在、一般健康人38名である。アンケート調査にて年齢、身長・体重、既往歴、喫煙歴、飲酒歴、薬剤、サプルメントの使用、便通等の情報を得、早朝尿採取を行った。栄養素、食品摂取量推定には食物摂取頻度調査票を用いた。便採取前の3日間は抗生物質、納豆の摂取を避けてもらい、約2グラムの便を採取した。今後、便サンプルを用いて、マイクロアレイによる腸内細菌解析を行い、尿中エクオール産生との関連を調べる。 妊娠中の胎児のエストロゲン環境は将来の乳がんリスクに関与するという仮説がある。妊婦を対象とした縦断研究では、まず母親の尿・血液および臍帯血中のエクオールその他のイソフラボン値を測定しエストロゲン値との関連性を評価した。血中および尿中エクオールの有無と臍帯血中E2,E3は関連性が認められなかった。
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Research Products
(1 results)