2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18015003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 和也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20184898)
柳川 芳毅 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (20322852)
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Keywords | 樹状細胞 / NK-T細胞 / ネガティブフィードバック / サイトカイン / 抗腫瘍免疫 / IL-21 / α-GalCer / CpG |
Research Abstract |
樹状細胞とNK-T細胞間で働くサイトカインを介するネガティブフィードバックを応用して、抗腫瘍免疫増強に成功した。この機構の発見に続く研究として、今年度では樹状細胞内のシグナル伝達分子の役割を明らかにした。すなわち、IL-6産生ではMAPKが、IL-12ではNIKが重要な働きをすることが判明した。またIL-21が樹状細胞の機能を修飾し、その結果この樹状細胞とα-GalCerで刺激されたNK-T細胞がIFN-γを産生する、すなわちTh1ヘシフトすることを発見した。これまでに、IL-21の抗腫瘍免疫増強効果が報告されているが、今回の研究により、IL-21→樹状細胞→NK-T細胞→IFN胃のプロセスが、抗腫瘍免疫増強効果につながることが判明した。逆に、樹状細胞上のTRL4、2を介する刺激一定期間後に、樹状細胞がLPS刺激に対してIL-10を特異的に産生することを発見した。従って、TLR刺激による樹状細胞の負の制御にはIL-10が関与することが判明した。 樹状細胞の産生するIL-12、IL-6は、その後の獲得免疫をそれぞれTh1、Th2にシフトさせるが、逆にTh1/Th2サイトカインにより、樹状細胞の遊走、抗原取り込み能に影響が生ずること、この影響は、未熟樹状細胞と成熟樹状細胞では異なることが判明した。すなわち、IL-4、IFNコは共に未熟樹状細胞の遊走を抑制したが、成熟樹状細胞の遊走には影響しなかった。また、IL-4、IFN-γは、未熟樹状細胞の抗原取り込みを著明に増強した。 これまでCpGでTLR9より刺激の入った樹状細胞は、Th1反応を誘導するとされてきたが、α-GalCerによるNK-T細胞刺激の系では、逆にCpG処理樹状細胞によってIL-4産生が増強することを発見した。
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Research Products
(21 results)