2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18015009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00198011)
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Keywords | アポトーシス / IAP / Apollon / cIAP1 / ユビキチン / プロテアソーム / 遺伝子増幅 |
Research Abstract |
1,Apollonによる細胞周期M期の制御 アポトーシスを阻害するApollonの遺伝子破壊マウス由来の胎児繊維芽細胞は、細胞周期特にM期の進行に異常が認められた。M期の制御因子とApollonの相互作用を解析した結果、ApollonはサイクリンAと結合し、ユビキチン化することがわかった。siRNAを使ってApollonの発現量を低下させた細胞では、prometaphaseでのサイクリンA分解が遅延した。これらの結果から、ApollonはサイクリンAを制御することにより、細胞周期M期の進行を制御していることが明らかになった。 2,MeBSによるcIAP1の分解とがん細胞のアポトーシス増強 cIAP1は一部の肺がん、食道がん、子宮頸がんなどで遺伝子増幅による過剰発現が認められ、細胞がん化や治療抵抗性に関与する事が知られている。我々は細胞内でcIAP1を選択的に減少させ、がん細胞のアポトーシスを増加させる低分子化合物(MeBS)を開発した。cIAP1減少の分子機構を解析した結果、MeBSはclAP1のBIR3ドメインと結合し、cIAP1のRINGドメインに依存した自己ユビキチン化を促進し、プロテアソームによる分解を促進することが明らかになった。この研究成果は、タンパク質の寿命を制御する低分子化合物という新しいカテゴリーの医薬品開発につながるものであると考えられる。 3,FLIPによるWntシグナル増強 FLIPはカスパーゼ8とよく似た構造を持つタンパク質で、細胞死受容体からのアポトーシスシグナルを阻害する。我々はFHPが細胞内で凝集塊を形成しやすく、FLIPを発現した細胞はUPS活性が低下し、がん化に重要なWntシグナルやHIFシグナルが増強されることを明らかにした。
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