2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性バイオ融合ナノ粒子と超音波化学をカップリングした新規がん治療
Project/Area Number |
18015019
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 陽博 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (30093066)
荻野 千秋 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00313693)
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Keywords | 高周波数超音波 / 二酸化チタン粒子 / ナノ粒子 / キャビテーション / DDS / 表面修飾 / B型肝炎ウィルス |
Research Abstract |
光励起された二酸化チタン(TiO_2)表面の高い反応性を医療分野に応用する試みがなされている。昨年度までの研究成果により既にTiO_2に超音波を照射する際に生成するヒドロキシルラジカル(・OH)が、がん細胞を有意に死滅させることを報告した(二酸化チタン/超音波触媒法(TiO_2/U.S.法)。本研究の目的は、本技術と組織ターゲティング機能を付加した二酸化チタンナノ粒子を用いて、in vitroでの培養がん細胞への取込み及びTiO_2/U.S.法によるがん細胞損傷メカニズムを検討することである。ポリアクリル酸によってコーティングされたTiO_2上に、B型肝炎ウィルス由来の分子認識タンパク質preS1/S2をアミノカップリング法によって固定化した。この粒子の生体内の環境下における安定性を調べるために10%ウシ胎児血清(FBS)を含む液体培地中において粒子径を測定した。その結果、preS1/S2固定化TiO_2は粒径50〜200nmで良好な分散性を持ち、若干の凝集は見られるが24、72時間後もその分散性を保持した。また、ターゲッティング能の評価方法としてSPRセンサーおよび肝がん細胞HepG2を用いた免疫染色法によってこの粒子が肝細胞への特異性を持つことを確認した。 培養がん細胞へのpreS1/S2固定化TiO_2存在下における超音波照射の細胞障害効果について、細胞が膜損傷した時に漏出する乳酸脱水素酵素(LDH)を指標とし検討を行った。この結果、TiO_2とpreS1/S2固定化TiO_2とを比較したところ有意な差が0.4w/cm2の超音波照射条件にて得られた。しかしながら、得られた細胞損傷の差における、二酸化チタン添加効果の寄与率は低かった。本研究におけるin vitroの実験系と、今後予定しているマウス等の担がん動物を用いたin vivo実験系とではTiO_2粒子の挙動および細胞やTiO_2に対する超音波の影響が異なることが考えられる。よって超音波照射条件を変更することによって有意な効果が得られる可能性もあるため、次年度以降は担がんマウスでの検討も必要と思われる。
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Research Products
(7 results)