2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞傷害因子の移植片対白血病効果における意義と臨床応用に向けた研究
Project/Area Number |
18015020
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
犬飼 岳史 University of Yamanashi, 医学部附属病院, 講師 (30293450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 弘資 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (90377531)
本名 浩子 山梨大学, 医学部・附属病院, 医員 (50377537)
黒田 格 山梨大学, 医学部・附属病院, 医員 (30402051)
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Keywords | 白血病 / 移植片対白血病効果 / 細胞傷害因子 / アポトーシス / DR4 / DR5受容体 |
Research Abstract |
(1)17;19転座型急性リンパ性白血病において,17;19転座に由来するE2A-HLFがGVL効果に中心的な役割を果たしているTRAILの受容体であるDR4とDR5の発現を誘導し,白血病細胞のTRAIL感受性を促進していることを明らかにした。そこでDR4およびDR5受容体遺伝子のプロモーターおよびエンハンサー領域をクローニングしてレポーター・アッセイを行なったところ,クローニングを行なった範囲内では,明らかな転写活性の亢進を認めなかった。特にintron1の遠位側にゲルシフト・アッセイでE2A-HLFが結合する領域を認めたが,レポーター・アッセイでは明らかなエンハンサー活性は認めなかった。したがって,E2A-HLFによる発現誘導は今回の領域外を介している可能性が示唆される。 (2)T細胞型急性リンパ性白血病(T-ALL)細胞では,DR4とDR5の細胞表面およびmRNAレベルでの発現が低く,TRAILに耐性傾向を示すことを確認したため,DR4とDR5遺伝子におけるプロモーター領域のメチル化状態をmethylation-specific PCRで解析したところ,DR4遺伝子では遺伝子の発現レベルとメチル化状態に相関を認めたが,DR5遺伝子では相関しなかった。また,T-ALL株を5-aza-deoxycytidineで脱メチル化したところ,DR4/DR5遺伝子の発現レベルは約10倍増幅されたが,細胞表面に発現されるレベルにまでは至らなかった。したがってT-ALLでのDR4/DR5の低発現には,遺伝子発現に関与する転写因子の活性自体が低いことも低発現の要因であると考えられる。
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Research Products
(3 results)