2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンプロテアソーム系の応用による2段階肺癌遺伝子ワクチン
Project/Area Number |
18015040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
姫野 國祐 九州大学, 医学研究院, 教授 (50112339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久枝 一 九州大学, 医学研究院, 助教授 (50243689)
濱野 真二郎 九州大学, 医学研究院, 助手 (70294915)
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Keywords | 抗腫瘍免疫 / DNAワクチン / ユビキチンプロテアソーム / 3LL肺癌 / MUT1遺伝子 |
Research Abstract |
癌に対する防御免疫にはMHCクラスIに拘束性のキラーCD8^+T細胞が主体となりMHCクラスIIに拘束性のCD4^+Th1細胞がサポートする細胞性免疫が必須の関わりを持つ。またそれらのCD8^+T細胞やCD4^+Th1細胞の認識対象となるエピトープペプチドも多数同定されている。しかしながらそれらのペプチドを用いたワクチンでは上記の様な細胞性免疫の誘導は多くの場合不可能であり、またそれらのペプチドをコードする遺伝子のみを用いた従来のDNAワクチンでは、抗原特異的T細胞が効率よく誘導されず、また例え誘導されても長期に維持される防御免疫も成立しにくい。本研究の独創的な点はユビキチン遺伝子と融合させた3LL特異的な(UB-MUT1)遺伝子と汎腫瘍マーカー(UB-Survivin)遺伝子のキメラ遺伝子を用いた3LL肺癌に対する2段階DNAワクチン治療法の開発にある。 国内外的にも癌に対する造伝子治療、ワクチン開発研究は非常に盛んであるが、未だに展望は開けていない。これは、悪性腫瘍のエスケープ機構と宿主側の免疫監視機構を統合的にとらえた研究が皆無に等しいことに由来している。21世紀にこそ本申請研究のように悪性腫瘍、宿主双方からのアプローチによる癌制圧を目指しての、分子基盤に基づいた先端的な開発研究が要求される。
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