2007 Fiscal Year Annual Research Report
内用放射線がん治療法の確立を目的とした二官能性放射性薬剤の体内動態制御
Project/Area Number |
18015041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
向 高弘 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30284706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (30347471)
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Keywords | 腫傷 / 骨転移 / レニウム / ビスホスホネート / 内用放射線治療 |
Research Abstract |
我々はこれまでに二官能性放射性薬剤の分子設計に基づき、腫瘍骨転移の内用放射線治療を目的に、^<186>Re-MAG3-HBPを開発し、その有用性を明らかとした。一方これまでの検討から、本薬剤の錯体形成部位であるMAG3と^<99m>Tcとの錯体、^<99m>Tc-MAG3は血清蛋白結合性が高いが、蛋白結合競合阻害剤の併用により、その血液クリアランス、組織移行性を促進できることが示されている。本研究では、^<186>Re-MAG3-HBPの非標的組織における被曝線量を軽減することを目的に、本標識薬剤における蛋白結合競合阻害剤の影響を検討することを計画した。^<186>Re-MAG3-HBPとラット血清、ヒト血清アルブミン溶液、ヒトα_1酸性糖蛋白溶液を混和させ、限外濾過法により^<186>Re-MAG3-HBPの蛋白結合率を測定した結果、ラット血清、ヒト血清アルブミンと非常に高い蛋白結合率を示した。そこで、血清アルブミンにおける主要な薬物結合部位として知られているサイトI、サイトIIと高親和性の薬物を添加し、ラット血清、ヒト血清、ヒト血清アルブミンにおける^<186>Re-MAG3-HBPの蛋白結合を測定したところ、^<186>Re-MAG3-HBPの非蛋白結合率は増加傾向を示し、その中でも、サイトIに高親和性のセフトリアキソンの添加により、最も増加した。さらに、セフトリアキソンを併用時の^<186>Re-MAG3-HBPのラット体内動態を検討したところ、血液クリアランスは、コントロール群と比べて有意に亢進した。また、標的組織である骨への放射能集積は変化を示さず、非標的組織である腎臓、肝臓においては、減少傾向を示した。したがって、血清アルブミンのサイトIと高親和性を示す薬物との併用により、^<186>Re-MAG3-HBPの骨転移疼痛緩和効果を損なうことなく、非標的組織の被曝量を軽減できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)