2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球腫瘍化に関わるインターフェロン系転写因子IRF-4を標的とした創薬研究
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18015042
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松山 俊文 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30165922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 雅之 (財)微生物科学研究会微生物化学研究センター, 生物資源探索ユニット長 (40260137)
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Keywords | インターフェロン / インターフェロン制御因子 / IRF-4 / IRF-1 / 放線菌由来生理活性物質 / トリコスタチンA |
Research Abstract |
インターフェロン制御因子-4(IRF-4)はIRFファミリーに属する転写因子であり、IRF-1が細胞増殖抑制やアポトーシスなど「がん抑制遺伝子」としての側面を有するのに対し、IRF-4は免疫担当細胞特異的に発現誘導され、細胞増殖に対して正の方向に働く「がん遺伝子」としての性格をもつ。申請者らはISREの配列(ISRE-SAAB1)においてはIRF-4とIRF-1は拮抗する関係にあることを見出し,そこからISRE-SAAB1の下流につないだレポーター活性の回復を指標としてのIRF-4阻害物質の探索を(財)微生物化学研究会微生物化学研究センターと連携して開始した。現在までに放線菌由来生理活性物質3024検体のスクリーニングが終了したがIRF-4を効果的に阻害する候補物質を見出すことはできなかった。 一方、IRF-1, IRF-4の有無にかかわらずISRE-SAAB1の転写活性を上昇させる27検体を同定した。そのうちのLot 1889-29から、EtOAc抽出、silica gel chromatographyおよび、HPLCを行いISRE-SAAB1の転写活性化を指標に目的物を得た。本物質の分子式は、HRESI-MSによりC17H22N203と決定した。さらに各種NMR解析および特徴的UV吸収(252sh, 265, 341nm)より本物質を、trichostatin Aと同定した。また、Lot 1894-19から、EtOAc抽出およびHPLCを行いISRE-SAAB1の転写活性化を指標にFr.1および混合成分Fr.2を得た。活性成分Fr.1の分子式は、HRESI-MSにより決定し、さらに各種NMR解析および特徴的UV吸収(230, 258, 290, 434nm)より活性成分を同定した結果、既知の抗がん剤であることが判明した(特許出願準備中)。また、Fr.2もFr.1と同様の特徴的UV吸収を示した。
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