2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規クロマチンインシュレータを搭載した遺伝子治療ベクターの開発
Project/Area Number |
18015044
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
久米 晃啓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10264293)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / ゲノム / 移植・再生医療 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
遺伝子治療ベクターの発現安定化と挿入変異リスク低減をめざし、新規クロマチンインシュレータの機能解析を行った。インシュレータは、他遺伝子領域の発現に対する干渉を防ぎ、ヘテロクロマチン化を防いで当該遺伝子の発現を安定化するシスエレメントである。今年度は、ヒト第19番染色体長腕末端部近く(AAVS1領域)からインシュレータ活性をもつ約330塩基のSmaI断片をクローニングし、そのヘテロクロマチン化阻止作用について検討した。インシュレータには方向依存性があるが、従来の解析は任意のエンハンサとプロモータの間に置かれたインシュレータの作用についてのみである。また、レトロウイルスベクターへの搭載例では逆転写に伴うLTRのコピー&ペースト現象を利用しているため、発現カセットを挟むインシュレータは必ず同じ方向になる。そこで、向きによるインシュレータ機能の違いをより詳しく検討するため、サイトメガロウイルスプロモータ支配下に緑色蛍光蛋白質(GFP)マーカー遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子を同時に発現するプラスミド(対照用)と、この発現カセットの両端にそれぞれ向きを違えてインシュレータを配置した4種類の発現プラスミドを構築した。以上5種類のプラスミドをそれぞれヒト赤白血病細胞K562にトランスフェクトし、ネオマイシンアナログG418耐性株を多数樹立した。その中からGFPを中等度以上発現するものを選び、G418による選択圧解除後の遺伝子発現について長期観察している。また、これら5種の発現カセットを搭載する自己不活化型(SIN)レトロウイルスベクターも構築し、K562細胞に感染させて得たG418耐性クローンについても追跡観察している。構造上、これらのウイルスはタイター面で不利なため、より多くのG418耐性クローンを得るためにウイルス調製・遺伝子導入条件を検討している。
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Research Products
(6 results)