2006 Fiscal Year Annual Research Report
感染性C型肝炎ウイルス粒子による肝細胞への遺伝子デリバリーシステムの構築
Project/Area Number |
18015051
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
脇田 隆字 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 部長 (40280789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 朋子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40392360)
溝上 雅史 名古屋市立大学, 大学院医学研究科・臨床分子情報医学, 教授 (40166038)
相崎 英樹 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (00333360)
村上 恭子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (30399456)
石井 孝司 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (40280763)
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Keywords | HCV / ウイルス / 感染実験 / 遺伝子導入 / 肝細胞 |
Research Abstract |
進行性肝疾患に起因する非代償性肝硬変に有効な治療法は肝移植しかない。また、多発性進行肝癌に対する治療成績も不十分であり、有効な治療法の開発が必要である。我々はC型肝炎ウイルスの研究において感染性cDNAクローンから培養細胞でのウイルス培養に成功した。本研究では、この技術により、組み換え型C型肝炎ウイルス粒子を作成し、肝細胞に特異的に遺伝子をデリバリーする方法の開発を試みている。 1.レポーター遺伝子を組み込んだ感染性増殖性ウイルスの作成:C型肝炎ウイルスの全長遺伝子にGFPおよびルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子を挿入した。試験管内で合成したウイルスRNAを培養細胞に導入した。トランスフェクション後培養液中にウイルス粒子が分泌された。このレポーター遺伝子を持つHCV粒子をレポーターウイルスと呼ぶ。 2.レポーターウイルスの解析:培養液中のレポーターウイルスを回収、濃縮精製して培養細胞に感染した。レポーターウイルスは通常のHCV粒子と同様に肝癌細胞であるHuh7細胞に感染が可能であった。さらに、レポーターウイルスの感染はルシフェラーゼの場合は細胞抽出液中のルシフェラーゼ活性を測定することにより定量する事が可能であった。GFPを持つウイルスの場合は感染細胞をFACSにより同定することが可能であった。特にGFPレポーターウイルスの場合個々の感染細胞を解析することができ、他の細胞表面マーカーなどを同時に解析することにより、HCV感染による感染細胞の蛋白発現の変化を細胞レベルで検討することが可能となった。 3.感染性非増殖性ウイルスの作成:C型肝炎ウイルスのゲノムよりウイルス粒子の形成に必要な構造領域遺伝子を取り除き、その部位に薬剤耐性遺伝子を挿入した。このサブゲノムを培養細胞に導入してサブゲノムが複製している細胞を作成した。サブゲノム複製細胞ではRNA複製はあるが、ウイルス粒子の産生は無い。この細胞に構造遺伝子を導入してウイルス粒子を作成した。
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