2006 Fiscal Year Annual Research Report
包括的な細胞性免疫応答を利用したEBウイルス陽性癌の治療研究
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18015053
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
葛島 清隆 愛知県がんセンター(研究所), 狩猟免疫学部, 部長 (30311442)
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Keywords | EBウイルス / EBNA1 / ヘルパーT細胞 / 胃癌 / 上咽頭癌 / リンパ腫 |
Research Abstract |
【目的と意義】Epstein-Barr virus (EBV)の核抗原であるEBNA1はEBV陽性癌に共通して発現している蛋白質である。EBNA1を標的抗原として活用できれば、すべてのEBV陽性癌に対して有効な免疫療法が構築できる可能性がある。また、効率的な腫瘍免疫応答には、CD8陽性のCTLのみならず抗原特異的なCD4^+T細胞の動員が重要であることが指摘されている。今年度はEBNA1特異的CD4^+T細胞を誘導し、その認識エピトープ及び機能を解析した。 【材料と方法】EBNA1のC末端側の約200アミノ酸をカバーするオーバーラッピングベプチドを用いてEBV既感染成人末梢血単核球を繰り返し刺激した後、限界希釈法にてCD4^+T細胞クローンを樹立した。抗HLA抗体によるブロッキング実験と既知のHLAを保有するLCLパネルに対する反応性から拘束分子を決定した。エピトープと推定される配列を含む、11ないし13アミノ酸から成るペプチドを合成し、エピトープを決定した。 【結果と考察】4株のCD4^+T細胞クローンを樹立し、いずれも異なるエピトープを認識していた。そのうちの1つはDR*0401によって提示される新規エピトープであった。他の3株のクローンは既知のエピトープ領域を認識していたが、拘束分子は報告されているHLAと異なり、DR51、DP2、DQ6であった。これらHLAの日本人における保有率は、DR*0401が10%、DR51が20%、DPaが30%、DQ6が20%であり、EBV陽性癌に対する免疫応答解析と治療応用に有用なものであると考えられる。DR51拘束性クローンは、EBV陽性T/NICリンパ腫から樹立された細胞株に対して傷害活性を示した。CD4^+T細胞をヘルパーとしてのみならずエフェクターとして利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)