2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18016005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30345235)
吉田 章子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (70372430)
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Keywords | ショウジョウバエ / 視覚中枢 / メダラ / proneural wave / proneural gene / マッシュルームボディ / JAK / STAT / Focal adhesion kinase |
Research Abstract |
遺伝子発現パターンの解析により、ショウジョウバエの脳形成機構の解明を行った。 1.眼柄の形成機構 視覚系で発現している遺伝子群の解析により、眼柄(視神経を包むグリア細胞の筒状の構造)ではCdGAPrが特異的に発現し、この遺伝子は眼柄の形態維持、ひいては視神経の束状化に必須であることがわかった。さらに、Focal adhesion kinase、インテグリンとも相互作用し、Focal adhesion signalにより眼柄が形成されることを見出した。 2.視覚系で発現している遺伝子群の解析により、視覚中枢(メダラ神経節)の形成機構を解明した。 メダラ神経の形成は神経上皮細胞がProneural geneを規則正しく一方向に順次発現することに始まる。これは波が動いていくようであり、proneural waveと名付けた。今まで知られている神経幹細胞の形成は神経上皮細胞から、ポテンシャルを持った細胞群が形成され、その後に「確率論的」に神経幹細胞が誘導される、というものであった。しかしながら、本実験系では「決定論的」に形成されるために今まで詳細が不明であった形成機構を明らかにできると考え、解析を進めた。 Proneural遺伝子発現細胞およびそれに続く神経幹細胞では、少なくとも3種のProneural遺伝子が発現する。それらの組み合わせの変異により、これらが、proneural waveの推進のタイミングを調節していることが明らかとなった。また、異所的な発現実験により、これらの活性は神経幹細胞を誘導するのに十分であることがわかった。 3.ショウジョウバエのMushroom Body(MB)は嗅覚学習の中枢と考えられている。この構造の形成機構を明らかにするためにエンハンサートラップ系統をスクリーニングし、MBで発現のみられる約200系統を得、解析を始めた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Focal adhesion kinase controls morphogenesis of the Drosophila optic stalk2007
Author(s)
Murakami, S., Umetsu, D., Maeyama, Y., Sato, M., Yoshida, S., Tabata, T.
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Journal Title
Development 134
Pages: 1539-1548
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