2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18016009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平田 普三 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 助教 (60402450)
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Keywords | 変異体 / 運動 |
Research Abstract |
動物は外界からの侵害刺激に応答して逃避運動をとる。これは動物にとって重要な運動であり、ゼブラフィッシュの場合、受精からわずか21時間後には接触刺激に応じた逃避運動をとることが知られている。研究代表者はゼブラフィッシュをモデルとして、逃避運動における異常のある変異体をスクリーニングし、運動のメカニズムを解明する研究を行っている。研究代表者が作成したrelatively-relaxed(ryr)変異体は逃避時の泳動が遅いゼブラフィッシュ突然変異体である。筋でパッチクランプを行い運動時の神経系から筋への出力を記録すると、ryr変異体で正常な応答が記録できたことから、ryr変異体の神経は正常に機能し、筋に異常のあることが示唆された。マッピングから、変異体ではリアノジン受容体遺伝子のイントロンにDNA挿入が見つかった。その挿入に偽のエキソンが存在し、変異体ではリアノジン受容体のmRNAのスプライシングに異常が生じ、タンパク全長の約半分のところで終止コドンが生じることから、膜貫通ドメインを持つリアノジン受容体を合成することができなかった。偽のエキソンに対合しうるアンチセンスモルフォリノを変異体に導入すると、異常なスプライシングが阻害され、正常なスプライシングが回復し、運動の回復も見られた。ryr変異体はヒトのリアノジン受容体変異によるマルチミニコア病の動物モデルとなるが、アンチセンス実験で運動が回復したことは、これが治療実験に応用できることを示すものである。
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