2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトゲノム配列解析によるRNAスプライシングとRNA代謝機構の研究
Project/Area Number |
18016011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 欽司 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80397455)
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Keywords | スプライシング異常遺伝子変異 / Pre-mRNAスプライシング機構 |
Research Abstract |
ヒトゲノムのannotation解析にて、1779,917ヶ所のGT dinucleotideを持つsplice donor sitesを抽出した。ここれらの解析にて、exon3'末端3塩基にUl snRNAと相補でない塩基がひとつでも存在する場合には、Ul snRNAはintron領域のみに結合をする傾向があることが判明した。つぎに、各splice donor sitesのヒトゲノムにおける出現頻度がsplicing signal強度を推定するよい指標であることを見出した(SD-Score)。28種類のミニジーンの実験結果をtraining datasetとして用い、SD-Scoreを使ったsplicing異常予測アルゴリズムを構築した。さらに30種類の別のミニジーンを解析し、また、既報告177種類のsplicing変異をvalidation datasetに用い検証を行ったところ、sensitivity=97.5%、specificity=94.6%という精度を得た。この手法により、179,917ヶ所のsplicedonor siteに一塩基置換を導入するsimulationを行ったところ、exonic position-3,-2,-1における変異のそれぞれ38%,89%,97%がsplicing変異であると予測された。この予測結果に基づき従来全く報告されていなかったexon-3位のsplicing変異を、ミニジーンと患者において初めて同定した。
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