2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いた網羅的変異マウス作製によるゲノム機能の解析
Project/Area Number |
18016014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30333446)
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Keywords | トランスポゾン / Bloom / 変異マウス / 遺伝子 |
Research Abstract |
Sleeping Beautyトランスポゾンシステムをマウス生体内で効率良く用いるためには、本トランスポゾンの転移頻度をより向上させる必要がある。また、トランスポゾンで導入された変異をホモにするために、Bloom遺伝子の発現を効率良く低下させることが必要である。この目的で、以下の実験を行った。 (1)ES細胞において、すべての組織・細胞系譜で発現が高いROSA26遺伝子座ヘトランスポゼース遺伝子をジーンターゲティング法でノックインした後、マウス個体を作製して系統を樹立した。 (2)転移効率とSleeping Beautyトランスポゾンのサイズは逆相関することが、過去に報告されている。そこで、遺伝子変異導入のための最小ユニットのみを有すトランスポゾンベクターを作製し、トランスジェニックマウスの系統を樹立した。 (3)ES細胞においてBloom遺伝子座へ、テトラサイクリン依存性の転写因子、抑制因子、およびテトラサイクリン応答性プロモーターを導入した。ドキシサイクリンによるBloom遺伝子の発現制御をES細胞レベルで確認した上で、マウス個体を作製して系統を樹立した。さらに、改変Bloom遺伝子座がホモのマウスを作製し、Bloom遺伝子の活性低下の指標として広く用いられている姉妹染色分体間の組換え(SCE)を調べたところ、ドキシサイクリンの投与によって、SCE頻度の明らかな上昇を認めた。この頻度は、以前に作製した、テトラサイクリン依存性転写抑制因子を導入していないマウスに比べて高かった。これより、マウス個体レベルにおけるBloom遺伝子の莞現制御の改善に成功したものと考えられた。 (4)上記のマウスを互いに交配させ、改変Bloom遺伝子座位がホモで、かつ、トランスポゾンとトランスポゼースを共に有すマウスを作製中である。
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