2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いた網羅的変異マウス作製によるゲノム機能の解析
Project/Area Number |
18016014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 Osaka University, 医学糸研究科, 准教授 (30333446)
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Keywords | トランスポゾン / Bloom / 変異マウス / 遺伝子 |
Research Abstract |
我々はこれまで、Sleeping Beautyトランスポゾンをマウス生殖細包で転移させることで、変異マウスを迅速かつ大量に作製する方法を開発した。しかし、表現型解析を大規模に行うためには、ホモマウス作製のための多大な労力を要すことを経験し、新たな手法を開発する必要性を痛感した。本研究では、体細胞において両アレルへ変異を導入して表現型を解析するシステムの開発を進めた。表現型解析のモデルケースとして癌を対象とした。 本年度はこれまでに作製した以下の3系統のマウスについて、トランスポゾンの転移効率の評価を行なった。1.すべての組織で外来性遺伝子を高発現できると期待されるROSA26遺伝子座ヘトランスポゼース遺伝子をノックインしたマウス。 2.変異導入に必要な最小ユニットであるスプライスアクセプターとポリA付加シグナルのみを有すトランスポゾンベクターを導入したマウス。 3.テトラサイクリンシステムによる発現制御が可能なようにBloom遺伝子を改変したマウス。発減抑制の効率が高まるように、我々が開発したテトラサイクリン依存性転写抑制因子を導入した。 1については、我々が過去に用いて来たトランスポゾンベクターを有すマウスと交配して、種々の組織における転移効率を定量した。その結果、従来用いていたCAGプロモマターからのトランスポゼースの発現に比べて、同等以上の転移を検出した。 2については、上記のROSA26-トランスボゼース系統との交配によって転移が確認され、本ベクターが機能することが証明された。1〜3のマウスの交配を行なうことで、改変型Bloom遺伝子座がホモで、かつ、トランスポゼースとトランスポゾンを有すマウスを得た。
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