2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18016027
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 潤一 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10194820)
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Keywords | 大腸菌 / 最小必須遺伝子群 / 必須遺伝子 / 染色体 / 欠失変異 / ゲノム / 分子生物学 |
Research Abstract |
(1)大腸菌染色体大規模欠失株の作製 (i)最小ゲノムシステムの構築 これまでに作製した染色体大規模欠失株を用いてさらに染色体の欠失を進めたところ、これまで用いていた染色体欠失システムがうまく機能しないことがわかった。そこで新しい染色体欠失システムを構築し、染色体をさらに欠失させた株の作製を開始した。野生株の染色体は4.64Mbであり、これまで我々が作製した最小染色体は3.26Mbであったが、ここから100Kb以上欠失させた株が作製でき、現在、さらに欠失させている。 (2)新規及び機能未知必須遺伝子群の機能解析 (a)細胞分裂に必須なFtsZタンパク質の機能及び情報発現ネットワークの解析:ftsZ遺伝子の発現を調べるためのシステムを構築し、生育に必須なG-proteinの一つが、ftsZ遣伝子の発現調節に関与していることを明らかにした。 (b)細胞表層の生合成に必須なタンパク質群の機能ネットワークの解析:機能未知必須遺伝子について遺伝学的解析を進め、リポ多糖(LPS)、ペプチドグリカンの基質の輸送に関与すると考えられる遺伝子を同定した。 (c)染色体複製、分配に必須なタンパク質群の機能ネットワークの解析:DNAジャイレースの変異株から、細胞骨格の遺伝子が多コピー抑圧遺伝子として単離され、DNAジャイレースと細胞骨格の機能的な関連が示唆された。 (3)複数の遺伝子の変異による表現型の解析 我々が作製した染色体大規模欠失株では、定常期における生存率が著しく低下している事を見出し、この性質が複数の遺伝子の欠損によるものであることを明らかにした。この研究はこれまで解析の難しかった複数の遺伝子の変異による表現型の解析の道を拓くものであり、また研究が難しくまだよく解析されていない定常期の生存について調べるための重要な手がかりとなるものである。
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Research Products
(3 results)