2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18016027
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 潤一 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (10194820)
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Keywords | 大腸菌 / 最小必須遺伝子群 / 必須遺伝子 / 染色体 / 欠失変異 / ゲノム / 分子生物学 |
Research Abstract |
(1)染色体大規模欠失株の作製 新しい染色体欠失システムを用いてさらに大規模に染色体を欠失させた株の作製を進めた。野生株の染色体は約4.6Mbであり,これまで我々が報告した最小染色体は約3.3Mbであったが,さらに欠失変異を組み合わせていくことにより,全染色体の約38%を欠失して約2.8Mbの染色体を持つ株の作製に成功した。 (2)新規及び機能未知必須遺伝子群の機能解析 (a)細胞表層の生合成に必須な遺伝子群の機能ネットワークの解析:機能未知必須遺伝子について遺伝学的解析を進め,リボ多糖(LPS),ペプチドグリカンの基質の輸送に関与すると考えられる遺伝子群を同定した。 (b)染色体動態に必須な遺伝子群の機能ネットワークの解析:DNA分解酵素をコードすると予想される機能未知必須遺伝子について,その高温感受性変異株を用いた遺伝学的解析によりDNAジャイレースと機能的に関連があることが分かった。またその遺伝子がコードするタンパク質の精製を行って実際にDNAを切断することを示し,その遺伝子がDNA分解酵素をコードすることを確かめた。またタンパク質分解酵素をコードすると予想される機能未知必須遺伝子について,高温感受性変異株,抑圧変異株などを単離して調べたところ,3つの機能未知必須遺伝子が機能的に関連していることがわかり,遺伝学的解析からDNAヘリカーゼとの関連が示唆された。酵母のホモログがDNA分解酵素であるとの報告があったことも合わせて考えると,タンパク質分解酵素ではなく,DNA関連の酵素である可能性が考えられた。 (3)複数の遺伝子の変異による表現型の解析 すでに報告した染色体の約30%を欠失させた大規模欠失株の定常期における生存率が著しく低下している事を見出し,複数の欠失変異を組み合わせることによりその表現型が見られる事を示し,その原因遺伝子の一部が存在する領域を特定した。また細胞増殖についても複数の経路が存在する必須な過程を同定するためのシステムの構築を進めた。
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Research Products
(3 results)