2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子のパスウェイ・ネットワークの光制御法の確立
Project/Area Number |
18016029
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 Toho University, 理学部, 教授 (90231571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直子 東邦大学, 理学部, 教授 (80230978)
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Keywords | ナノバイオ / 光スイッチ / 合成化学 / 生体分子 / 可視化 / ケージド化合物 / 遺伝子の機能制御 |
Research Abstract |
遺伝子の発現を時空間的に制御する手法は生命現象を理解する上で非常に有用である。遺伝子発現関連分子を光分解性保護基によって機能的にマスキングし,光照射によって回復する技術によって高い時空間分解能で実現できると期待される。Caging試薬であるBhc-diazoはDNAのリン酸と反応して、Bhc基により修飾されたcaged DNAを形成する。caged DNAはUV照射によるBhc基の切断によって初めて転写の鋳型となると予想される。しかしcaged DNAを用いた光による発現制御は再現性に乏しく、このことはin vitroにおいてDNAのcagingの程度を示す有効な指標がないことに一因がある。そこで,DNAのcagingの指標を得ること,およびcaged pDNAを用いて哺乳類培養細胞において遺伝子発現を光制御することを目指した。 caged pDNAはpDNAをBhc-diazo溶液と混和し遮光条件下で反応させることで得た。通常DNAは熱に対して安定であり94℃で加熱しても電気泳動パターンにはほとんど影響が見られないが、caged pDNAでは加熱により泳動バンドがスメアになることから、高温により断片化すると考えられる。それに対しUV照射によるuncaged DNAでは加熱後もバンドが観察された。そこでこの熱不安定性をcagingの指標として条件設定を行い,再現性よくプラスミドDNAを合成する条件を確立することができた。得られたcaged pDNAを用いて,in vitroおよびin vivoにおける遺伝子発現の光誘導を試みた。その結果,in vitroの系でも,HeLa細胞内においても,UV照射により用いたレポータ遺伝子の発現を数倍以上増大させることに成功した。またcaged DNAの熱不安定性がcagingの指標として有効であることも示された。
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