2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18016030
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
新屋 みのり 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (00372946)
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Keywords | 量的形質 / 量的形質遺伝子座解析 / メダカ / 顔貌形質 / 頭蓋顔面形質 / 遺伝学的解析 / 近交系 |
Research Abstract |
これまでに、二つのメダカ近交系の雑系第二世代184個体(集団1)を用いてゲノム全体を対象に顔貌形質をマッピングし、13形質14領域の関連を見出していた。本年度は内5形質10領域の解析を行った。まずは新たなサンプル184個体(集団2)を用い、集団1において得られた関連の検証を行った。その結果、集団2においては2形質・2領域のみで関連が再現され、それに対して集団1と2を合わせた368個体(集団1+2)の解析で再現できたものが3形質・3領域見つかった。以上より、メダカ近交系を用いた遺伝学的解析により確かにゲノム上の顔貌形質関連領域を見出せることがわかった。同時に問題点として、サンプル数184個体の解析では検出力が不足していることが示唆された。 次に、再現がとれた形質・領域のうち4形質・4領域に対し、遺伝マーカーを倍に増やして解析を行った。これはマーカー密度を上げることにより統計解析の解像度が上がり、関連領域の絞込みにつながることを期待して行った解析である。集団1、集団2、集団1+2にて解析を行ったが、いずれの集団でも絞込みには至らず、マーカー密度およびサンプル数の解像度への効果は小さいことがわかった。 本年度の解析により、解像度と検出力の向上という二つの課題が明確になった。解像度にっいては、より細かくゲノムを組み替えたサンプル集団を用いることで解決できると思われるが、そのような集団の作成には数年かかるため、やや長期的な課題となる。検出力に関しては、サンプル数を倍の368個体に増やすことにより8割弱の検出力を与えられることがシミュレーションの結果明らかとなっている。また、遺伝率がより高い状態で形質を定量化する方法を見出すことも検出力の向上へとつながる。そこで次年度は、サンプル数368個体にてメダカゲノム全体のスキャンを行うこと、また定量化のより良い方法を探ることを予定している。
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