2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18016031
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上田 泰己 独立行政法人理化学研究所, システムバイオロジー研究チーム, チームリーダー (20373277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 英樹 独立行政法人理化学研究所, システムバイオロジー研究チーム, 研究員 (70391878)
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Keywords | 細胞間情報伝達 / バイオイメージング / バイオインフォマティクス / 理論生物学 / 再構成 |
Research Abstract |
生命現象のような動的で複雑な現象を理解することは一般的に難しく、その解明のための手法・研究戦略は発展途上の段階である。特に多細胞生物を多細胞生物たらしめている細胞間相互作用を担う動的で複雑なシステムを体系的・効率的に同定・解析していく手法・研究戦略については、まだ確立されているとは言えない。我々は、複雑で動的な細胞間相互作用の一つである哺乳類の概日時計における細胞間相互作用をモデル系とし、インシリコ・インビボにおいて細胞間相互作用の遺伝子ネットワークを構成することで予測されうるメカニズムの再構成的証明を行い、細胞間相互作用の研究戦略のモデルケースを提供する。 概日時計の細胞間同調を観測するためには、非同期状態の細胞間(概日振動の位相が異なる細胞間)の相互作用を観察することが必要である。しかし、培養細胞の概日振動の位相は、細胞内cAMP濃度上昇の誘導や、培養液の交換(栄養状態の変化)、温度の変化等、培養環境のわずかな変化によって速やかに同期してしまい、細胞に対して実験的に非同期状態を自在に誘導することは非常に困難である。そこで、我々はまず刺激の強度・時間等を自在に調節可能な「光刺激」の利用に着目し、光受容体を培養細胞に発現させ、培養液の温度に影響を与えない程度の光を照射することで光受容体依存的に培養細胞の概日振動の位相を変化させることが可能な系を構築した。この系を用いて照射条件を詳細に検討することにより、同期振動している培養細胞集団を任意に非同期化させることが可能な実験系の構築に成功した(論文投稿中)。 この手法を用いて、細胞に人為的に非同期状態を誘導することによって、その後同期した概日振動が自然に回復してくる過程を一細胞発光ダイナミクスのリアルタイム測定系を用いて観察することが可能となり、その性質を詳細に解析することが可能となる。
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