2006 Fiscal Year Annual Research Report
視交叉上核由来細胞を用いた哺乳類概日リズム発振システムのシミュレーション
Project/Area Number |
18016033
|
Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
程 肇 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (00242115)
|
Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / 時計遺伝子 / シミュレーション |
Research Abstract |
1.SCN由のmRNA、タンパク質、代謝物質が示す動的反応性の網羅的解析 SCN由来細胞のmRNAが示す動的反応性を包括的に解析した。特にPer1::luc導入SCN由来細胞を用いて、トランスクリプトーム解析を行い見出した概日発現振動遺伝子の機能は、細胞複製、遺伝子転写、生体物質代謝、アポトーシス等細胞活動の多岐にわたっていた。一方、化合物刺激による位相前進や後退時に特異的発現変動を示す遺伝子を抽出して、二つの結果を統合したデータベースを構築した。この中に含まれる全遺伝子78個について、概日リズム形成のコアフィードバックループにより支配されている遺伝子は、ロバストな振動(48個)と迅速な位相変化(48個)という特性を保持しているという仮定に基づき階層的クラスタリングを実施した。明期性の振動を示す二つのクラスターに含まれる遺伝子のプロモータ構造にはCRE及びE boxが高い頻度で存在した。この結果は明期性の振動の維持と迅速な位相シフトにはこの二つのシスエレメントが機能していることを示す。一方、暗期性の振動を示す三つのクラスターの内、一つのクラスターの遺伝子のプロモータには高い頻度でROREと新規配列が存在していた。 2.哺乳類概日リズム発振機構のネットワークモデルの作成及びシミュレーション 得られた結果に基づき哺乳類概日時計中枢細胞におけるリズムのロバストネスに寄与する新たな暗期性の転写フィードバックループを予測した。このフィードバックループを含む概日転写リズム形成のネットワークをモデル化した。現在このモデルに基づき、詳細なシミュレーションを実施している。さらに、この転写フィードアックループの機能を実験的に明らかにするために、ループを構成する分子に対するsiRNAを投与した。その結果、SCN由来細胞の転写リズムが阻害されることが判明した。
|
-
[Journal Article] LARK activates post-transcriptional expression of an essential mammalian clock protein, PERIOD1.2007
Author(s)
Kojima, S., Matsumoto, K., Hirose, M., Shimada, M., Nagano, M., Shigeyoshi, Y., Hoshino, S., Green, C.B., Sakaki, Y., Tei, H.
-
Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104
Pages: 1859-1864
-
[Journal Article] Establishment of cell lines derived from the rat suprachiasmatic nucleus.2007
Author(s)
Kawaguchi, S., Shinozaki, A., Obinata, M., Saigo, K., Sakaki, Y., Tel, H.
-
Journal Title
Biochem. Biophys. Res. Commun. 355
Pages: 555-561
-
[Journal Article] Constitutive Expression of the Period1 Gene Impairs Behavioral and Molecular Circadian Rhythms.2006
Author(s)
Numano, R., Yamazaki, S., Umeda, N., Samura, T., Sujino, M., Takahashi, R., Ueda, M., Mori, A., Yamada, K., Sakaki, Y., Inouye, S., Menaker, M., Tei, H.
-
Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103
Pages: 3716-3721