2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18017001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 正典 北海道大学, 大学院医学研究院, 教授 (30241318)
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Keywords | ヌタウナギ / VLR / APAR / FISH |
Research Abstract |
本研究では,1)無顎類に焦点を当てて,MHC(主要組織適合遺伝子複合体)パラロガス群の解析をおこなうことにより,2回のゲノム重複が系統発生のどの段階で起きたのかを実験的に確定するとともに,2)無顎類白血球cDNAライブラリーのEST解析によって同定されたvariable lyphocyte receptor遺伝子群(遺伝子再構成をおこない抗原特異的な免疫反応に関与する)についてcDNA,ゲノム,タンパク質レベルで詳細な解析をおこなった。具体的には,以下の成果を得た。1.ヌタウナギ・ゲノムに存在するMHCパラロガス領域を同定することを目的として、MHCアンカー遺伝子をコードするBACクローンを単離し、BACクローンを用いたfluorescence in situ hybridizationをおこなった。この研究はいまだに進行中であるが,ヌタウナギ・ゲノムには少なくとも2個のMHCパラロガス領域が存在することを示唆する結果を得た。2.ヌタウナギにはleucine rich repeatsの再構成によって、著しい多様性を生み出す抗原レセプター遺伝子VLRが2個存在することを示した。さらに,2個のVLR遺伝子(VLR-A, VLR-B)は同一染色体上の離れた部位に存在することを示した。3.ヌタウナギのVLR-A, VLR-B分子の結晶構造を決定した。その結果,VLR-A,-B分子はleucine rich repeatファミリーのタンパク質に特徴的な立体構造を有していることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)