2007 Fiscal Year Annual Research Report
比較ゲノム解析に基づくヒト固有遺伝情報の同定と機能推定
Project/Area Number |
18017002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邉 日出海 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30322754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 香奈子 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20362840)
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Keywords | ゲノム / 分子進化 / 固有遺伝情報 / ヒト / チンパンジー / マカク / 系統特異性 / 直系ゲノム領域 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、ヒト固有形質に密接に関連すると推定されるヒト固有遺伝情報を同定することである。この目的のために、ヒトとチンパンジーの種分岐後にヒトゲノムに生じたヒト固有遺伝情報ならびにヒト特異的進化状態を示すゲノム領域の同定を行った。まず、基盤となるデータとして、ヒト-チンパンジー一マカク間の高精度なゲノム直系領域多重アラインメントの作成を行った。具体的には、曖昧なゲノム領域の実験による確認、ゲノム概要配列に加えてBACクローン配列を用いた解析、詳細な分子進化学的解析によるゲノム直系領域の推定を行った。次にこのゲノムアラインメントに基づき、ヒト系統に特異的な、挿入・欠失および塩基置換・アミノ酸置換速度変化を同定した。特に、従来は解析が困難であるために対象外とされていた、ヒトとチンパンジーの種分岐後に遺伝子重複が起きた遺伝子群についても解析を行った。その結果、ヒト固有形質に関連する候補遺伝子が推定された。これら候補遺伝子のさらなる機能解析等により、ヒト固有形質の理解が進むことが期待される。上記の研究過程では、プログラムによる自動処理に加えて、人間の目によるデータの精査も重要となる。そこで、このデータ精査を支援するための解析ツールの開発も行った。このツールは、長大なゲノム間の対応領域を可視化し、それを自由に拡大縮小したり、対応領域の各ゲノム上における位置情報や塩基相違度等の必要な情報の取得を行ったりすることを可能にするものであり、霊長類に限らず、他のあらゆる生物種のゲノム比較解析にも有用なものである。
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Research Products
(3 results)