2006 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ近縁種のゲノムライブラリーの作成とメダカゲノム情報による物理地図作成
Project/Area Number |
18017006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成瀬 清 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (50208089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒泉 満 新潟大学, 理学部, 教授 (40175360)
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Keywords | 性染色体 / 性決定遺伝子 / BACライブラリー / ルソンメダカ / インドメダカ / 3次元PCRスーパープール / フォスミドライブラリー / 培養細胞 |
Research Abstract |
ルソンメダカBACライブラリー作成:ルソンメダカBACライブラリーの作成をおこない、384穴プレート96枚分のクローン(ゲノムカバー率で約5X相当)をもちいてPCRスクリーニング用の3次元PCRスーパープールによるスクリーニング系を作成した。また、Y染色体のみをもっfosmidライブラリーの構築もおこなった。 インドメダカBACライブラリー作成:インドメダカでは性転換雌(XY)と正常雄(XY)を交配させることによってXX胚、XY胚、YY胚を得ることが出来た。それぞれの1個体から由来する培養細胞系を独立に樹立した。それぞれの培養細胞からゲノムDNAを抽出して遺伝子タイピングをおこないXX胚YY胚に由来する培養細胞系を4系統(XX,YYを2系統ずっ)樹立した。現在支援班の協力によって、XX培養細胞とYY培養細胞からそれぞれ独立にBACライブラリーを作成している。 近縁種での遺伝子地図作成と性染色体の同定:昨年までに7種の近縁種における性決定システムと性染色体を同定したが、今年度はタイメダカの性決定システムと性染色体を明らかにすることが出来た。タイメダカはXX-XY型の性決定システムを持ち、その性決定遺伝子はメダカLG10と相同な染色体上にあることが判明した。 ルソンメダカ性決定領域の物理地図作成:ルソンメダカXX胚に由来するBACライブラリーからルソンメダカ性決定領域を完全にカバーする4つのBACクローンを同定した。この4クローンのショットガンシークエンスをおこない塩基配列を決定し、メダカゲノム配列との比較をおこなった。全体にわたって高い相同性(91-92%)がある領域がみられる一方で、随所にメダカ特有の配列やルソンメダカ特有の配列もみられた。 インドメダカ性決定領域の詳細な連鎖地図の作成:ルソンメダカに続きインドメダカの性決定領域の詳細な連鎖地図作成をおこなった。インドメダカ性決定遺伝子はメダカLG10上のscaffold16と相同な領域に存在する。現在は7つのDNAマーカーからおよそメダカでは1.4Mbpの範囲に性決定遺伝子の存在する領域を絞り込むことができた。さらに個体数を増やして遺伝子タイピングをおこなうことで領域を狭めると共に、BACライブラリーが完成次第、クローンの単離をおこなう。
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