2007 Fiscal Year Annual Research Report
全長cDNAライブラリを用いたアピコンプレクサ原虫の比較ゲノム研究
Project/Area Number |
18017008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 純一 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (20201189)
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Keywords | 全長cDNA / アピコンプレクサ / マラリア / 比較ゲノム |
Research Abstract |
ニワトリの消化管の寄生原虫として養鶏上重要性の高いEimeria tenellaについて、merozoiteからoligo-cap法で全長cDNAライブラリを作成した(英国動物衛生研究所との共同研究)。トキソプラズマ原虫に近縁で、ウシの習慣性流産の原因として獣医学的に重要なNeospora caninumについて、tachyzoiteから全長cDNAライブラリを作成し、1万クローンの両端ワンパスシークエンスを決定した(帯広畜産大学との共同研究)。アピコンプレクサ原虫の比較ゲノム解析において寄生原虫の外部対象として有用で、熱帯地方で多数の患者を擁し医学的に重要性の高い赤痢アメーバEntoamoeba histolyticaと、赤痢アメーバのシスト形成の研究に用いられるヘビアメーバE.invadensについて、trophozoite(栄養体)から全長cDNAライブラリを作成し、1万クローンの両端ワンパスシークエンスを決定した(慈恵医大との共同研究)。同様にぜん虫として比較ゲノム解析に有用で我が国に患者を抱えるEchinococcus multicolularisについて、幼虫から作成した全長cDNAライブラリの1万クローンの両端ワンパスシークエンスを決定した(北海道大学獣医学部、理化学研究所との共同研究)。同様に有鉤条虫Taenia soliumのlarvaから全長cDNAライブラリを作成、1万クローンの5'端ワンパスシークエンスを決定した(メキシコ大学との共同研究)。今後研究の重点は得られたシークエンスデータの解析に移ると思われる。そこで、バイオインフォマティクスの解析チームの形成に努めた。ゲノム塩基配列の解読が進み、また、全長クローンの全長シークエンスが効率よく解読可能になったことから、本格的に比較ゲノム解析を行う基盤が整ってきた。
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