2006 Fiscal Year Annual Research Report
シンビオジェネスの基礎となるプロモーター獲得原理の解明
Project/Area Number |
18017014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50185667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義治 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 研究員 (50301784)
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Keywords | シンビオジェネシス / 遺伝子移動 / プロモーター獲得 / コアプロモーター / 遺伝子トラップ系統植物 / クリプティックプロモーター |
Research Abstract |
シンビオジェネシスの過程では、一般に、細胞内共生者から宿主核への遺伝子移動が生じる。本研究の目的は、この過程で生じるプロモーター獲得の包括的原理を明らかにすることである。本年度は、植物の核ゲノム中に転移・挿入された新規構造遺伝子がプロモーターを獲得するメカニズムを解明するため、次の3点の解析を行った。 【A】植物ゲノム上のプロモーター配列に関する解析 MPSS(Massively parallel signature sequencing)法を応用した転写開始点の新しい網羅的解析法を開発し、それを用いてシロイヌナズナのゲノム上に約5万の転写開始点をマップした。次に、それらの転写開始点に対して特徴的な位置分布をしめすプロモーター成分配列を網羅的に抽出し、カタログ化した。この成果を一般に公開するために、特定領域研究「基盤ゲノム」の支援を受けて、「植物プロモーターデータベース」を作成した。 【B】植物ゲノム上での新規プロモーター出現機構に関する実験的解析 昨年までの研究から、「構造遺伝子の挿入」が当該ゲノム領域での転写開始を活性化する可能性が示唆された。もしそうなら、実験に用いた「構造遺伝子配列」の中に、その活性化を誘導するシス機能が隠されていることになる。その機能を検出するため、種々のキメラプロモーターをシロイヌナズナに導入し、転写開始点の位置分布がどのように変化するのかを解析した。その結果、「構造遺伝子領域には上流近傍のコアプロモーター領域を選択的に活性化する機能」のあることが強く示唆された。 【C】オルガネラから核に転痙したDNA断片の発現解析 葉緑体ゲノムおよびミトコンドリアゲノムに由来する多くの配列断片がシロイヌナズナの核トランスクリプトーム中に出現していることを明らかにした。
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[Journal Article] Identification of plant promoter constituents by analysis of local dstribution of short sequences.2007
Author(s)
Yamamoto, YY., Ichida, H., Matsui, M., Obokata, J., Sakurai, T., Satou, M., Seki, M., Shinozaki, K., Abe, T.
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Journal Title
BMC Genomics 8
Pages: 67-89
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