2006 Fiscal Year Annual Research Report
多重ゲノム配列アラインメントに基づく機能情報の抽出
Project/Area Number |
18017017
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40142111)
|
Keywords | ゲノム / アラインメント / 遺伝子予測 / 遺伝子ファミリー / 多重アラインメント / 選択的スプライシング |
Research Abstract |
ゲノム配列の多重アラインメント法に関しては、本年度2通りのアプローチを試みた。第一に、ペアワイズアラインメント間の整合性に基づくアンカー抽出法を実装し、5種の哺乳動物の相同遺伝子プロモータ領域に適用した。5配列間から得られる10ペアワイズアラインメント間で完全に整合性のとれる領域は全体の数%にすぎなかったが、整合性の条件を緩和することにより領域を拡大できることを確かめた。現在、ペアワイズアラインメント算出法の改良を行うとともに、整合性の基準としての最適な条件を探索している。一方、アンカー間多重塩基配列アラインメントには、長いギャップを含む場合にも適用できるように新たに開発した反復改善法(Yamada et al., BMC Bioinformatics, 2006)を適用する予定である。 第二のアプローチでは、ゲノム配列を一定長のブロックに分割して粗視化することにより、アラインメントに要する時間と記憶容量を大幅に削減する新規手法を考案し、試験的な検証を試みた。この新手法では、ブロック長をBとしたとき、記憶容量、計算時間ともに1/Bに低減できることが理論的に予想される。バクテリアゲノム配列を対象としたブロックレベルのペアワイズアラインメントでは、ほぼ期待通りの性能が得られることが示された。今後、塩基レベルへの精密化と多重配列アラインメントへの拡張を行う必要がある。 種となる少数の既知アミノ酸配列に基づき、そのファミリーに属する遺伝子をゲノム横断的に探索するシステムである「FamilyWise」についても、大幅な改良を行った。イントロン挿入位置の保存性を考慮することにより遺伝子構造予測の信頼性を高めるとともに、実行速度においても20倍近い高速化が可能となった。
|
Research Products
(3 results)