2007 Fiscal Year Annual Research Report
Photoreceptome解析による動物の光受容システムの進化及び多様性の研究
Project/Area Number |
18017018
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小柳 光正 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 講師 (30379276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久富 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60231544)
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
寺北 明久 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30212062)
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Keywords | 光受容システム / オプシン / 進化 / アンドンクラゲ / ハエトリグモ / 色覚 / 眼外光受容 / 松果体 |
Research Abstract |
本研究では,原始的な動物など進化的にキーとなる動物の光受容システムの解明およびゲノム解読によって初めて見つかった未知の光受容タンパク質の物性解析を行った。 ・眼を持つ最も原始的な動物であるアンドンクラゲ(刺胞動物)の光受容システムについて,視物質からシグナル伝達カスケードまでの完全解明に成功し,視覚進化の新しい概念を提唱した(論文投稿中)。また,脊椎動物の眼と下等動物の眼の構造に関する網羅的比較解析を行う目的で,アシドンクラゲレンズ眼の完全長cDNAライブラリの作製および30,000クローンのESTデータベースの構築を行った。 ・脳や肝臓に存在する機能未知視物質類似タンパク質・エンセファロプシンが,光受容タンパク質として機能することを,フグおよびハマダラカのホモログを用いた分光学的・生化学的解析により明らかにした(論文投稿中)。これは,脳や肝臓に未知の光感覚が存在することを示唆する直接証拠である。 ・昨年度発見したUV感受性パラピノプシンと可視光感受性パラピノプシンが,魚類松果体において近接する光受容細胞で別々に発現していることを突き止め,松果体の色識別への関与がが強く示唆された。 ・脊椎動物,昆虫類とは独立に色覚を進化させたクモ類の視物質を同定し,節足動物における色覚進化のシナリオを明らかにした(Koyanagi, et. Al.,2008)。さらに,無脊椎動物の視物質の発現に世界で初めて成功し,色覚の分子基盤を明らかにした(Terakita, et. Al.,2008;論文投稿中)。
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Research Products
(17 results)