2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18018002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60291267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
木内 喜孝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20250780)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / モデル動物 / 遺伝子連鎖解析 |
Research Abstract |
炎症性腸疾患(IBD)は近年急激な患者数の増大が見られる重篤な疾患である。しかしながら、その原因は不明であり有効な治療法も確立されていない。我々がT細胞活性化機構の解析過程で作製した0X40L遺伝子導入マウスはC57BL/6系統依存的にIBDを自然発症する。従って、同マウスはIBD発症責任遺伝子を検索する上で極めて有用な疾患モデルである。既に、感受性系統(C57BL/6)と抵抗性系統(BALB/c)の交配マウス339匹を用いた遺伝子連鎖解析を行い、QTL解析でLod score=7.9と極めて有意なIBD発症関連遺伝子座を特定した。その部位に焦点を当てて解析を進め、同部位の候補遺伝子を70個に絞り、さらに、それら候補遺伝子の中でC57BL/6系統におけるmRNA発現がBALB/cを含む5つの疾患抵抗性系統の発現に比べて5分の1に減弱しているものを見出した。同遺伝子は受容体型タンパク質をコードしており、疾患発症と同遺伝子SNPとの相関が、単点解析(x^2検定)でp=1.2×10^<-8>であった。以上より、同遺伝子発現減少がマウスIBD発症に関与する可能性が示唆された。そこで、同遺伝子の遺伝子導入マウスを作製し、0X40L遺伝子導入マウスと交配した。その結果、同遺伝子の遺伝子導入によりIBD発症が抑制されることが明らかになった。これらの知見は、今回見いだした有力なIBD感受性候補分子が、直接的にIBD発症と関連することを示唆する。
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