2007 Fiscal Year Annual Research Report
非天然型プレニル化芳香族化合物合成系の構築とその利用
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18018008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 准教授 (30280952)
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Keywords | 放線菌 / 生合成 / プレニル化 / プレニル基転移酵素 / フラボノイド / ポリケチド / 微生物変換 |
Research Abstract |
1.novobiocin生産菌、Streptomyces niveus 由来のNovQの機能解析 Streptomyces niveusのnovobiocin生合成遺伝子クラスター中にコードされているNovQの基質特異性を解析するため、大腸菌での発現系を構築した。NovQはこれまでの研究で、DMAPPをプレニル基供与体、4-hydroxyphenyl pyruvate (4-HPP)をプレニル基受容体として、二価金属イオン非存在下で、dimethylallyl化された4-HPPを生成することが報告されている。しかしながら、4-HPPの構造アナログであるtyrosineやhydroxyphenyl lactate、hydroxybenzoateとは反応しないことが明らかにされており、それ以上の基質特異性については調べられていない。発現ベクターpHIS8にnovQ遺伝子を導入したプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)株で発現させて組換えタンパク質を取得した。次に、精製した組換えタンパク質NovQを炭素数5のジメチルアリル2リン酸存在下、フラボノイドとしてはナリンゲニン、ダイゼイン、ゲニステイン、クリシン、ガランギン、イソサクラネチン、フェニルプロパノイドとしてはp-クマル酸とカフェ酸、ポリケチドとしてはオリベトール、レスベラトロール、フラビオリンを使用し、反応を行った。その結果、予想に反して、NovQはナリンゲニン、ダイゼイン、ゲニステインと反応すること、さらには、p-クマル酸と反応して、ドゥルパニンを生成することが判明した。また、レスベラトロールとも反応し、そのプレニル化の位置は、これまでのプレニル化反応とは異なることが判明した。 2.NphBを用いた反応機構の解明 NphBを用いた詳細な酵素学的パラメーターの解析からは、この反応が逐次定序反応で進行することを明らかにした。さらには、結晶構造データを基に、GPPが第一基質であること、GPPから生じるゲラニルカチオンが芳香族基質上の電子と作用することでC-C結合が形成されることを提唱した。
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