2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトゲノム解析から発見した注目すべき8個の新規遺伝子の機能解析と医療への応用
Project/Area Number |
18018037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 厚志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30327655)
塩濱 愛子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40383731)
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Keywords | ヒトゲノム / 比較ゲノム解析 / 遺伝子疾患 / ディジョージ症候群 / コーエン症侯群 / 多発性嚢胞腎 / 家族性てんかん |
Research Abstract |
1:DGCR8は1つのWWドメインと2つのDSRBドメインを併せ持ったヒトゲノムに1つしかない極あて稀な構造を持つタンパク質を産生する。間接蛍光抗体染色法を行ったところDGCR8は核小体に局在することが観察された。 2:LLN12(RUTBC2)は特に脳で強い発現を示している。RUTBCファミリー総ての発現系の構築を行い、免疫沈降1法によりGタンパク質であるRAPファミリーと相互作用することを明らかとした。 3:ZNF295中に新規に発見したHFC-1、HFC-2ドメインの欠損型タンパク質を用いて転写抑制活性を確認したところ、BTB/PPZドメインに加えHFC-1領域も転写抑制活性に必須であることが確認した。 4:FERlL5/C80orfK23は非症候群性難聴の原因遺伝子OTOFが含まれるFER1遺伝子ファミリーのメンバーである。さらにゲノムワイド検索を行なった結果、新たにFERIL6を発見した。 5:CSMD3のメダカオルソログの発現解析とノックダウン解析を行なったが、目視で判るほど明瞭な表現型は得られなかった。さらに分子レベルでの変化の追究を検討中である。 6:PKHD1L1は多発性嚢胞腎(ARPKD)の原因遺伝子であるPKHD1のファミリー遺伝子である。モデル生物としてメダカを選択し、RT-PCRにより75エキソンの塩基配列決定を行うことができた。 7:DSCR4遺伝子の転写開始点の上流nt-800付近の領域で著しい転写亢進を示すプロモーター(cis-エレメント)活性が見られた。大腸菌での発現系を用いて結合タンパク質の同定と性状解析を行なっている。 8.:VPS13B/COH1を含むVSP13ファミリーのすべてについて主要な生物種で比較ゲノム解析を行なった。その結果、メンバー数は酵母で1、線虫で2、昆虫で3、脊椎動物以上で4(A, B, C, D)であった。脊索動物であるホヤではVPS13が2個存在するが、VPS13Bのエキソンが1個になっており、進化の過程でプロセスト型偽遣伝子のみが残った可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)