2006 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌代謝制御ネットワークの物質産生系への有効活用
Project/Area Number |
18018040
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
藤田 泰太郎 福山大学, 生命工学部, 教授 (40115506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 孝明 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026559)
広岡 和丈 福山大学, 生命工学部, 講師 (20389068)
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Keywords | 枯草菌 / 代謝制御 / ゲノム / マイクロアレイ / 応用微生物 / メタボローム / 代謝制御因子 / ネットワーク |
Research Abstract |
●枯草菌分岐鎖アミノ酸合成オペロン(ilv-leu)のグローバルな転写制御因子(CcpA、CodY、TnrAおよびRelA)による発現制御の分子レベルで解明するため、これらの制御因子の結合する部位の欠失解析、フットプリントおよびin vitro転写系解析を行い次の事が明らかになった。 a)CcpAによるilv-leuオペロン発現の正の制御はRNAポリメラーゼとの相互作用によるものであり、CodYの制御部位への結合がCcpAの結合を解除する事により、CodYの負の制御がCcpAの正の制御を凌駕する。 b)CcpAとTnrAの制御部位への結合はお互いに独立しているが、TnrAの制御部位への結合がシスに作用し、CcpAによる正の制御を作動不能にしていると考えられた。 c)ilv-leuオペロンのアミノ酸飢餓による正の制御は、GTP濃度の低下によるCodYによる負の制御の解除とこのオペロンの転写開始点近傍に存在するcis-配列を介した正の制御である事を明らかにした。後者の制御のcis-配列を特定するため、転写の開始点(+1)および(-2)、(-1)と(+2)に塩基置換を導入し、正の緊縮制御への影響を見たところ、(+1)へのGの置換がやや、(+2)のGへの置換が大きく影響し、とくに後者の置換は負の制御にまで転換した。 ●枯草菌による分岐鎖アミノ酸合成の効率化の方策を探るため、枯草菌による野生株とcodY変異株を用いたメタボローム解析を行ったところ、codY変異が分岐鎖アミノ酸合成を上昇させるという事がわかった。また、リジン欠乏で緊縮制御をかけた場合も分岐鎖アミノ酸合成が高まった。さらに、イソロイシンの前駆体であるスレオニン合成に関わるhom-thrC-thrBオペロンがリジン欠乏そのもので誘導される事が判明した。
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Research Products
(4 results)