2006 Fiscal Year Annual Research Report
光・分子イメージングを用いた運動関連領野の機能的構造の研究
Project/Area Number |
18019005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯島 敏夫 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (90333830)
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Keywords | ウイルスベクター / 神経ネットワーク / 運動 / 光学的記録 / 膜電位感受性FRET |
Research Abstract |
運動の企画や実行過程の脳内機構の理解をさらに進めるには、関与する神経ネットワークについてそのマクロスケール動態を解析してシステム的理解を進めること、同時にネットワークの構成要素を厳密に同定することの2つが重要であると考える。この目的から我々は近年、狂犬病ウイルスベクターを用いた膜電位感受性FRETシステムを開発した。同システムではプローブタンパク遺伝子が神経回路に沿って経シナプス的に逆行性輸送され、神経細胞に次々に膜電位感受性プローブタンパク分子を発現させるので、注目する神経回路のみから神経活動を多点同時的に光学的記録することが可能である。また活動記録後、そのタンパクプローブの発現を指標にして細胞を免疫組織化学的に同定することが容易である。本研究の特徴はサルを実験対象とし、この新技術を駆使して運動に関わる高次脳機能のこれまでの理解をさらに前進させようとするところにある。 In vivoで膜電位感受性FRETの効率を上げるため平成18年度の研究では、GFPの細胞膜移行シグナルをLynから、より高効率に細胞膜へのタンパク質の移行タグとして知られているCAAX-BOXに組み替えた狂犬病ウイルスベクターの作成を試みた。現在までに、目指したベクターはほぼ完成した。さらに平成18年度の研究では狂犬病ウイルスベクターを用いた2重標識法を本研究に取り入れるための基盤研究を行った。これまでの研究で、ウイルス同士の干渉作用による問題を解決し、中枢神経における2重標識技術の開発に成功した。
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