2007 Fiscal Year Annual Research Report
興奮性ニューロンと抑制性ニューロンが識別できる遺伝子改変ラットの開発、パート2
Project/Area Number |
18019007
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柳川 右千夫 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90202366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 真澄 自然科学研究機構, 生理学研究所, 准教授 (20353435)
柿崎 利和 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50375531)
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Keywords | ラット / 抑制性ニューロン / 蛍光タンパク質 / 系統 / ホモ接合体 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
脳は、興奮性と抑制性のニューロンで構成される神経ネットワークの集まりからできている。しかしながら、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの両者ともin vivoおよびin vitroで正確に同定することは、一般に困難である。そこで、抑制性ニューロンを蛍光分子で標識したトランスジェニックラット(VGAT-Venusラット)2系統(系統AおよびB)の解析を行った。さらに、抑制性ニューロンを蛍光分子で標識したトランスジェニックマウス(VGAT-Venusマウス)4系統(系統04、29、39および49)の解析を行った。 2系統のVGAT-Venusラットでは、脳における発現に部分的に違いがある。例えば、系統Aのラット視床では、グルタミン酸ニューロンの豊富な外側腹側核や後腹側核での異所性発現が観察され、系統Bのラット海馬では、CAl錐体細胞での異所性発現が観察された。系統間でのVenusの発現の違いが遺伝子レベルでの差異に基づくかどうか、PCR法を用いて検討した。その結果、系統Bでは、VGAT遺伝子上流域と下流域を含むコンストラクト全領域が導入されていたが、系統Aでは上流域の一部が欠損して導入されていた。この結果は、導入された遺伝子レベルでの差異が系統によるVenus発現の相違に影響を与えていることを示唆する。 戻し交配で得たホモ接合体のVGAT-Venusマウスおよびヘテロ接合体のVGAT-VenusマウスからのゲノムDNAを用いて、ホモ接合体とヘテロ接合体との違いを区別するためのPCR法の条件について検討した。その結果、26あるいは27サイクルの条件が最適と判定した。この結果をホモ接合体のVGAT-Venusラットの同定に利用し、ゲノタイピング不要なホモ接合体のVGAT-Venusラットの繁殖・維持に活用する。
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Research Products
(5 results)