2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動依存的遺伝子発現レポーターによる神経回路可視化法の開発と応用
Project/Area Number |
18019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 浩行 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80272417)
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Keywords | 神経可塑性 / 活動依存的遺伝子発現 / 前初期遺伝子 / 神経回路 / 蛍光イメージング / 発光イメージング |
Research Abstract |
神経特異的前初期遺伝子Arcは、海馬や大脳新皮質において生理的刺激により速やかに発現誘導される性質をもち、現在知られている中で最も感度の高い神経活動の遺伝子マーカーの一つである。本研究においては、このArcプロモーター領域によって発現が制御されるレポーターを用い、神経回路における活動依存的遺伝子発現をモニターする系の構築を目標とする。 平成18年度においては、以下の成果を得た。 1.マウスArcプロモーターの制御下にルシフェラーゼをもつ遺伝子発現レポーターを作製し、神経細胞を用いてレポーターの活動依存性を検討する系を構築した。この系を用いてArcプロモーターにおける神経特異的かつ活動依存的な複数の調節領域を同定した。 2.Arcレポーターの最適化を行い、c-fosやzif268等の遺伝子のプロモーター領域を利用した活動依存的レポーターとし比較して、神経特異性および活動依存性を評価した。その結果Arcプロモーターは既存の神経活動依存的プロモーターに比して、優れた神経特異性、刺激誘導性を持つことが示された。 3.Arcプロモーターの制御下に蛍光タンパクを持っレポーターコンストラクトを作製し、単一神経細胞レベルで活動依存的な遺伝子発現をモニター・解析する系を確立した。 4.活動依存的遺伝子発現レポーターシステムと並行して内在性のArcの発現を指標とした脳マッピングを行うため、抗Arc抗体を作製し、高感度免疫蛍光組織染色の系を確立した。これにより視覚刺激や探索行動などの生理的な刺激により変動する内在性のArcの発現を可視化・解析することが可能となった。
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[Journal Article] Molecular identification and characterization of a family of kinases with homology to CaMKI/CaMKIV.2006
Author(s)
Ohmae S, Takemoto-Kimura S, Okamura M, Adachi-Morishima A, Nonaka M, Fuse T, Kida S, Tanji M, Furuyashiki T, Arakawa Y, Narumiya S, Okuno H, Bito H.
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Journal Title
J. Biol. Chem 281
Pages: 20427-20439