2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動依存的遺伝子発現レポーターによる神経回路可視化法の開発と応用
Project/Area Number |
18019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 浩行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (80272417)
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Keywords | 活動依存的遺伝子発現 / 神経ネットワーク / シナプス / 蛍光イメージング / 発光イメージング / ウイルスベクター |
Research Abstract |
神経特異的前初期遺伝子Arcは、記憶課題負荷や感覚刺激等によって成熟動物の海馬や大脳新皮質において速やかに発現誘導されることから、活動依存的な遺伝子発現を指標とした個体動物における脳マッピングにおいて最も信用度の高いマーカーの一つとして頻用されている。しかしながら、Arcの発現制御に関しての知見は乏しく、長期神経可塑性を誘起する神経活動の際にどのような機構でArcの発現が誘導されるかについては不明である。そこで本研究においては、Arc遺伝子の高い神経特異性および刺激依存性機構の解析を行い、その制御機構をレポーターとして応用することにより、遺伝子発現を伴う神経可塑性に関連した神経活動をモニターする系を構築することを目的とする。 平成19年度においては以下の成果を得た。 1.Arcの神経活動依存的発現に重要であるゲノム領域を単離し、この領域の制御下にレポーター遺伝子としてルシフェラーゼおよび蛍光タンパクをコードするcDNAを配置したベクターを構築し、単一神経細胞において内在性Arcと同様の神経特異的かつ活動依存的な遺伝子発現のリアルタイムイメージングに成功した。 2.上記Arc遺伝子制御領域から、神経活動依存的遺伝子発現に特に重要なエレメントを絞り込み、ごく短い制御領域を同定した。さらに、この制御領域を用いた神経活動依存的遺伝子発現レポーターウイルスの作成に成功した。このレポーターウイルスを用いることによりマウス大脳の神経活動に依存したレポーター蛍光タンパクの発現を検出することに成功し、このウイルスが個体動物における神経ネットワークの活動を解析するうえで極めて有用なツールになりうることが示唆された。
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[Journal Article] Regulation of dendritogenesis via a lipid-raft-associated Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase CLICK-III/CaMKl gamma.2007
Author(s)
Takemoto-Kimura S, Ageta-Ishihara N, Nonaka M, Adachi-Morishima A, Mano T, Okamura M, Fujii H, Fuse T, Hoshino M, Suzuki S, Kojima M, Mishina M, Okuno H, Bito H
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Journal Title
Peer Reviewed
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