2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経画像と分子遺伝の組み合わせによる人格特性の脳基盤の統合的解明
Project/Area Number |
18019009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80322056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 東京大学, 保健センター, 助教授 (50235256)
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50302716)
|
Keywords | 神経画像 / 分子遺伝 / 人格 / 中間表現型 |
Research Abstract |
ヒトの思考・感情・行動様式に個体差を生み出し、社会・文化の多様性の創出に貢献するとともに、その逸脱が精神障害への脆弱性ともなりうる人格をとりあげ、神経画像学と分子遺伝学を双方向的に組み合わせることにより、人格の脳基盤と統合的に解明することを目指した。具体的には、ディメンジョナルモデルによる人格尺度(Temperament and Character Inventoryなど)、マルチモダリティ神経画像計測による脳機能・構造(struchval & functional MRI, diffusion tensor imaging, NIRS, EEG, MEGなど)、遺伝子多型(モノアミン系代謝関連、神経伝達物質受容体関連、神経成長因子関連遺伝子など)の関連を検討した。平成18年度は、神経画像と採血のサンプル収集は、MRI(N=180)、MEG(N=50)、NIRS(N=60)と順調であり、モノアミン系代謝関連、神経伝達物質受容体関連、神経成長因子関連遺伝子などのSNP解析を進めた。MRIについて、VBM法を用いて損害回避傾向(harm avoidance)との関連を検討したところ、海馬体積と損害回避傾向に有意な負の相関を認めた(Yamasue et al., Cereb Cortex, in press)。また、協調性との関連については、社会的認知をつかさどる脳部位との有意な正の相関を認めた。またこれらの相関は、男女間で有意な差を認めた。これらの結果から、人格特性の背景をなす遺伝子多型と脳形態・機能の関連について検討を進める見通しをえた。
|
Research Products
(5 results)