2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18019011
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 貴文 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10262081)
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Keywords | 神経情報処理 / プルキン工細胞 / 細胞内カルシウム動態 |
Research Abstract |
これまでに培養海馬神経細胞の樹状突起で1型IP3受容体に特異的なアクチン骨格依存的な側方拡散制御を見いだした。IP3受容体がシナプス可塑性に重要な働きをしている小脳プルキンエ細胞のスパインでもこの様な機構が働いていれば、アクチン骨格を介して活動依存的にIP3受容体の側方拡散の度合いを変化させ、スパインにIP3受容体を止めおくことによリスパイン内部のCa2+放出活性を調節し、ひいてはシナプス可塑性を制御している可能性がある。これを検討するためにプルキンエ細胞樹状突起に蛍光タンパクを融合した小胞体膜タンパクを遺伝子銃を用い発現させ、二光子励起顕微鏡を用い蛍光退色回復(FRAP)法により、小胞体膜タンパクの移動速度を解析した。 プルキンエ細胞樹状突起でのIP3受容体各タイプとSERCAタンパクの拡散速度を測定した。内在性の1型IP3受容体の影響を避けるため、3型IP3受容体の拡散速度の計測のためには1型IP3受容体ノックアウトマウスを用いた。IP3受容体の拡散速度はSRCAより遅く、やはリアクチン骨格依存的であったが、海馬とは異なり1型と3型のIP3受容体の間の差はなかった。この結果は、IP3受容体は樹状突起幹部と同様に、アクチン骨格依存的な側方拡散制御機構があるが海馬神経細胞とは異なる機構によることを示唆する(投稿準備中)。 次にスパインと樹状突起間でのIP3受容体とSERCAタンパクの移動速度を検討した。そのために異なる蛍光波長の蛍光タンパクをそれぞれのER膜タンパクに融合した遺伝子を同時に小脳切片中のプルキンエ細胞に発現させ、両者のスパインと樹状突起間での拡散速度の差を検討した。その結果、IP3受容体はスパインでもSERCAより拡散速度が遅いことが明らかとなった(投稿準備中)。更に、この拡散速度の差に活動依存性があることが明らかになりつつある。
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Research Products
(1 results)