2006 Fiscal Year Annual Research Report
最適採餌選択の脳内機構:分子・回路・行動の統合的理解
Project/Area Number |
18019015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松島 俊也 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (40190459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 助教授 (90251438)
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
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Keywords | 脳 / 行動 / 情動 / 認知 / 衝動性 / リスク / 採餌行動 / 選択 |
Research Abstract |
鳥類は正確な視覚弁別に基づく選択行動を示す。特に艀化後間もない雛は手掛かりとなる視覚刺激と直後に得られた餌報酬の間の連合を速やかに学習し、その後の選択行動に反映させていく。採餌選択の決定にあずかる神経機構を明らかにするために、本年度はニワトリの雛に対象を絞って、投機性(リスク感受性)と背景文脈に対する依存性を吟味した。 1.変動する「量」に対するリスク回避選択 自然界では餌資源の量は常に変動している。動物はこの変動に対して最適な行為を選び取っている、と仮定できる。利益率を最大化する行為か(期待効用最大化)、それとも最悪の状況で得られる最低限の利益を最大化する行為か(max-min原則)。これを明らかにするために、変動する餌場(雛は餌量を予期することができない)と、常に一定量の餌を与える餌場との二つを用意し、雛の二者択一選択を調べた。その結果、雛は変動する餌場を嫌い、たとえ少ない量であっても安定した餌場を選ぶことが判明した。雛は負の投機性を持つ。 2.変動する「近さ」に対する衝動性の亢進 変動していても、それを毎回、何らかの手がかりで知ることができた場合、その状況は動物の選択をどのように変えていくだろうか。餌の量が変動する条件と、餌場の近さが変動する条件で、衝動性を比較した。「近くて小さな餌」と「遠くて大きな餌」の間の、二者択一選択を調べた。その結果、近さの変動にさらされた雛は衝動性が高く、「近くて小さな餌」をより好むことがわかった。変動する因子が、選択の重要因子となる。
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Research Products
(2 results)