2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト中心溝吻腹側の痛覚関連野に対応するラット皮質領野の検索
Project/Area Number |
18019028
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 助教授 (10145295)
|
Keywords | 大脳皮質 / 侵害受容ニューロン / 内臓感覚 |
Research Abstract |
本年度の目的 「ラット感覚運動皮質内臓再現野近傍のAdelta線維投射野に侵害受容ニューロンの集積する場所がある」という推測を検証する。 研究方法 ウレタン単独あるいはウレタン-クロラロース混合麻酔下で、末梢の電気刺激に対するAdelta線維由来の電場電位を粗くマッピングし、その焦点部位を中心に、体表のピンチ刺激に対するマルチユニットの応答を検索した。 結果 1.ピンチに応答するユニットが記録された。全て相動性のオン応答を示した。応答の持続時間に長短の違いがある。オフ応答の見られるユニットもあった。持続性の応答は全く得られていない。この場所の特性であるのかどうか、麻酔条件・刺激条件などを変えて検討している 2.これらの侵害応答ユニットはピンセットで軽く摘んだときにも発火することがあったが、応答は不安定であり、解析は困難であった。 3.これらの侵害応答ユニットはマルチユニットで見るかぎり広い範囲の刺激に応答した。無毛部皮膚の刺激によく応答するが有毛部皮膚の刺激にも応答する。しばしば四肢全てに応答したが全てのユニットで全身からの入力が収敏していたわけではない。 4.これらのユニットには受容野の電気刺激に対しAdelta線維由来の短潜時応答を持つもの、長い潜時で応答するもの、全く応答しないものがあった。 結論 Adelta線維の投射部位に侵害応答を有するニューロンが実際に存在することを明らかにした。 なお、本(統合脳)領域では異分野との交流を積極的に行うことが求められた。本研究代表者(伊藤)は班会議で知り合った研究者と学際的な共同研究を計画し、科研費の基盤研究に応募した。
|