2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18019034
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
酒井 裕 玉川大学, 工学部, 助教授 (70323376)
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Keywords | 神経細胞 / スパイク / サポートベクタマシン / 多細胞同時記録 / スパイク相関 / 情報表現 / パルス統計 / スパイク予測 |
Research Abstract |
近年,数百本の電極により多数の神経細胞からスパイクを同時記録する手法が確立してきた.しかし,現状では,単一細胞記録の効率化として利用するか,解釈のしやすい細胞ペアの相互相関ヒストグラムを調べるのが主流であり,多数の細胞から同時記録している利点を十分に生かしているとは言い難い.この問題に対し,「複数の神経細胞で過去に発生したスパイクパターンから,ある神経細胞で次の瞬間にスパイクが発生するかどうかを予測する」モデルを構成し,「予測成功率」というわかりやすい指標を用いて全細胞ペアのスパイク相関の全体的な性質を明らかにすることを考える.次の瞬間のスパイクを予測する問題は,次の瞬間にスパイクを発生するかしないかを決定する問題になっているため,工学の分野でよく直面する判別問題に帰着する.判別問題では,様々な場面に有効な手法が開発されている. 本研究では,データの中から特徴的な高次の相関を効率的に抽出して非線形な判別を行う手法として知られている「サポートベクタマシン」を用いて,ラット海馬からカルシウム光学計測した神経細胞の活動データに適用した.前半1秒間のデータで予測成功率が最も良くなる予測器を構成し,後半9秒間のデータでその予測成功率を評価した.その結果,予測に用いる細胞数を減らしていくと,相互相関しか用いない手法より,高次相関を用いた方が予測成功率が良くなることがわかった.活動を維持するほとんどの細胞の活動を記録できている場合,相互相関だけで神経活動の関係性を調べることができるが,一部しか記録できていない場合,高次相関を用いる本手法が有効であることがわかった.
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Research Products
(4 results)