2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18019035
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
相原 威 玉川大学, 工学部, 教授 (70192838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康弘 玉川大学, 学術研究所, COE助手 (00384719)
渡辺 秀典 玉川大学, 学術研究所, COE助手 (00407686)
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Keywords | デンドライト / STDP / 抑制性細胞 / 場所依存性 / 時空関コーディング |
Research Abstract |
新たな統合的な記憶情報処理様式の基礎を示すことを目的として、海馬ニューロンのデンドライトにおける情報処理への抑制性細胞の影響に着目し、STDPの場所依存性の結果に基づき下記の2つの実験を行った。 A.Proximalデンドライト入力のDistalデンドライト情報処理への影響 DistalデンドライトとProximalデンドライトへの2チャンネルのシナプス入力刺激を行い、STDP誘起プロトコルを適用し2入力による相互作用を光計測により調べた。結果として、逆伝播活動電位はProximalデンドライトのシナプス入力のタイミングに依存して増幅/抑圧され、Distalデンドライトへの伝播電位は増大/減少された。さらに細胞遠位部へも大きな減衰なく伝播されることが分かった。また、パッチクランプ法を用いて同様のプロトコルを用いて実験を行い、DistalデンドライトでのLTPがProximalデンドライトの入力により影響を受けることを確かめている。これらの結果は2入力の空間・位相(時間相関)によるコーディング様式の因果性を示すものであり、新たな学習側の基盤となると考えられる。 B.Proximal・Distalデンドライトの時系列情報処理の違い デンドライトの情報処理の場所依存性の存在をもとに、DistalデンドライトとProximalデンドライトの時系列情報処理を調べた。2つの領域ボーダーにカットを行い、入力を独立にして周波数刺激(1Hz, 5Hz, 40Hz)を行い、LTP/LTDを計測した。結果として、DistalデンドライトのほうがProximalデンドライトより、LTP、LTDとも大きく誘起した。このことは抑制入力によりNMDAからのカルシウム流入の差が影響したものと考えられる。
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