2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18019035
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
相原 威 Tamagawa University, 工学部, 教授 (70192838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康弘 玉川大学, 脳科学研究所, 嘱託教員 (00384719)
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Keywords | 海馬 / デンドライト / 逆伝搬活動電位 / 抑制性細胞 / コーディング |
Research Abstract |
ニューロンのデンドライトにおけるSTDPにおいてPD(Proximal Dendrite;樹状突起細胞体近位部)とDD (Distal Dendrite;樹状突起細胞体遠位部)で顕著な違いが見られることを報告してきた.しかし,それぞれの部位の入力の時間的相互作用はまだ明らかになってなかった.そこで本実験ではPDとDDの相互作用に着目し, PDへの入力がBPAPを1つのキャリアとしてDDの情報処理に影響を与えるだろうことを仮定し, BPAPとPD入力のタイミングの違いがDDにおける可塑的変化(記憶情報処理)に及ぼす影響を光計測法を用いて計測・解析を行った.結果として,DDにおけるSTDPが, BPAPとPD入力の到来タイミングに依存して促進あるいは減弱することを光計測を用いて明らかとした.また,パッチクランプ法を用いることにより,単一ニューロンにおいても同様の結果となることを示すことができた.さらに,NEURONシミューレータを用いた実験においても同様の結果を評価し,生理実験で網羅できないパラメータでも評価を行った. これらの結果は,PDの入力タイミングがDDにおけるコーディングを制御・調整することを示し,そこにおいて興奮性細胞と抑制性細胞のローカルなネットワークが重要な役割を担うことをも示している.すなわち,本結果はDDの情報処理に対するPD入力の因果性の存在を示唆し,新しい学習則の基盤となりうると考えられる.
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