2006 Fiscal Year Annual Research Report
サルとヒトを繋ぐ:経皮的神経活動記録手技の開発と無侵襲記録手技との統合
Project/Area Number |
18019039
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤井 直敬 独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 副チームリーダー (20392095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日原 さやか 独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 研究員 (70361706)
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Keywords | 光トポグラフィー / 慢性神経活動記録 / 霊長類 |
Research Abstract |
本研究課題では、動物実験での神経活動記録に関する侵襲を可能な限り低減し、しかも長期間に渡って神経活動を記録できる全く新しい記録手技の開発を目的とし、同時に無侵襲的記録手技である近赤外線トポグラフィー(NIRS)を同技術に統合し、サルの実験から得られる知見と、ヒトのイメージングなどから得られる知見を直接比較するための基盤技術の開発を行う。本年度は、過去に一度も行われたことの無いNIRSを用いたサル大脳皮質からの脳活動記録を行った。この記録にあたり、NIRS用光ファイバープローブ固定用のホルダーを開発し、実際にプローブを観血的にサルに取り付けた。プローブはホルダーに固定され、サルの頭部を動かないように固定した後、左右の前頭葉内壁から脳活動を、NIRSを用いて記録した。課題は単純なえさ取り課題で、サルは目の前に座っている実験者が手渡すえさを右手を用いて受け取り、食べるという単純な課題である。まず、NIRSによりサルの脳活動を記録できるかどうか?という疑問は、記録したデータを見る限り、運動に関連した脳活動を補足運動野と呼ばれる脳領域から記録できたため手技的に問題ないと考えられた。また、記録された信号の安定度は人の実験と比べて高く、プローブホルダーを使うことで信頼性の高い記録が行えることが示唆された。同様の記録を、同様の課題遂行中の人を用いて行い、記録されたサルの脳活動を比較してみることを始めた。19年度は、このサルからのNIRSによる脳活動記録手技に慢性神経活動記録を同時に行い、NIRS信号と神経細胞活動との関連を解明する予定である。
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Research Products
(1 results)