2006 Fiscal Year Annual Research Report
言語、記憶機能の画像化と脳皮質電位計測、電気刺激による検証
Project/Area Number |
18020010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80372374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
竹内 文也 北海道大学, 医学部, 助教授 (30281835)
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Keywords | 機能MRI / 脳皮質電位 / 言語 / 脳磁図 / 軸索画像 |
Research Abstract |
目的は言語機能の画像化により、機能局在とその経時的活動変化を解析する。脳磁図と機能MRIを用い、文字読み、動詞想起、物品名称課題などを組み合わせ、運動性・感覚性言語機能を画像化する。また、Parallel imaging法を用いて軸索画像を取得する。すべての解析結果を解剖学的MRI上に重畳することで言語関連ネットワークの画像化が可能になり、ヒト高次脳機能神経科学、臨床神経学における神経機能の解明に貢献できる。一方で、これまで脳機能画像の局在と脳皮質電気刺激による機能局在の検証はほとんと行われていない。我々は機能統合画像をニューロナビゲーション装置に転送・表示可能とした。本装置を用い術中脳皮質刺激、さらに皮質下(白質)刺激を行い、機能画像の結果と、実際の脳皮質・白質機能局在の検証を行った。また、慢性硬膜下電極留置した症例では、言語機能マッピングと、言語関連課題により誘発される皮質電位計測(認知ECoG)方法を確立した。これらの情報を融合することにより、脳内言語関連活動を、時間的、部位別変化を捉えた。今回の検討で語想起課題による機能MRIでは左下、中前頭回、補足運動野の活動を認めた。文字認知課題脳磁図では、優位半球側の側頭葉(紡錘回、上側頭回)周辺に活動を認めた。機序の異なる2つの機能画像の組み合わせにより、運動性・感覚性言語機能を分離して局在できた。さらに、この言語機能を結ぶ線維を刺激することで言語関連の症状が出現することも報告した。現在は慢性硬膜下電極留置により直接脳皮質電位を計測することで、高い時間・空間分解能を持ち脳皮質間のネットワーク、部位別の周波数の違いなどを解析している。機能MRI,脳磁図、認知ECoG間における反応の違いや周波数成分の違い(同期、脱同期)について解析プログラムを開発中である。
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