2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18020020
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大守 伊織 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20403488)
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Keywords | 脳内ホルモン / オキシトシン / DNAアレイ / 情動 |
Research Abstract |
脳内のうち不安情動の中枢である扁桃体内には多数のoxytocin(以下OT)受容体が発現し、OTの脳内ホルモンとしての働きが注目されている。OTは、妊娠・出産時における抗不安作用を有することが動物実験で明らかにされているが、その分子機序は不明である。今回、出産・授乳マウスならびにストレス負荷マウスにおいて、オキシトシンにより発現が調節さている蛋白質を同定することを目的として研究を実施した。 【方法】1)OT添加神経培養細胞ならびに授乳中マウスの脳よりRNAを抽出し、両者において発現が促進されている遺伝子をDNA microarrayにて検討した。2)授乳中マウス、脳スライスにOTを潅流したもの、非妊娠マウスに拘束ストレスを連日与えたものより扁桃体をpunch outしてRgs2の発現をwestern blotting、定量realtime PCR、免疫染色で検討しvirginマウスと比較した。 【成績】1)DNAアレイにより、Rgs2(Regulator of G-protein signaling 2)発現の促進が見られた。2)産後3日目にはRgs2の発現が亢進していた。2)OT潅流30分後よりRgs2発現が元進した。3)拘束ストレスを与えたマウスにおいて、拘束1日目よりRgs2発現が亢進していた。 【結論】Rgs2はG蛋白質共役受容体のシグナル伝達を負に制御することが知られている。また最近、Rgs2欠損マウスでは不安が亢進することが報告されている。本研究において、授乳時OTによりRgs2の発現が亢進することが明らかになった。またストレス下でも同様にRgs2発現亢進が認められた。本研究により、OTによる抗不安作用はRGS2の発現制御によることが強く示唆された。今後オキシトシン受容体やRGS2の遺伝子改変マウス作成に研究を発展させて行く予定である。
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Research Products
(6 results)