2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18020020
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大守 伊織 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20403488)
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Keywords | オキシトシン / 脳内ホルモン / RGS2 / 海馬 / 扁桃腺 / 情動 / 記憶 |
Research Abstract |
研究目的 オキシトシン受容体は海馬および扁挑体に豊富に存在し、これら領域における生理作用について注目されている。近年オキシトシンは妊娠・出産時に抗不安作用を有することが動物実験で明らかにされているが、その分子機構については不明である。本研究では、オキシトシンによる抗不安作用の分子メカニズムの解明をする。 成果 本研究により以下のことを明らかにした。 1.オキシトシン添加神経培養細胞ならびに授乳中の母親マウスの脳よりmRNAを抽出し、DNA microarray法により、両者ともに発現が促進されている遺伝子を検索した。結果:両者において発現が増加している遺伝子として7個同定した。その中でもRegulator of G-rprotein signaling2 (Rgs2) の発現が最も促進していた。 2.バージンマウスに4時聞の拘束ストレスを与え、同マウス扁桃体におけるRgs2 mRNAならびに蛋白質の発現をwestern blotting法、real time PCR法で検討した。結果:拘束1日目よりRgs2の発現が非拘束マウスと比較して有意に亢進していた。このRgs2の高い発現は拘束後1週間持続した。 3.扁桃体を含む脳スライスにオキシトシンを潅流し、扁桃体におけるRgs2の発現をwestern blotting法にて検討した。結果:潅流30分後よりRgs2の発現が完進していた。 4.産後授乳中母親マウスでは、バージンマウスと比較して産後3日後には著明なRgs2発現の亢進が見られた。一方産後授乳を行っていないマウスのRgs2発現は、授乳マウスと比較して明らかな発現減少が見られた。すなわち、授乳によりRgs2の発現が増加することを証明した。 5.オキシトシン受容体のアンタゴニストをマウス扁桃体に注入し、その後拘講ストレスを与え、Rgs2の発現について検討した。結果:予備実験では、同アンタゴニストを注射したマウスでは、Rgs2の発現がコントロール群と比較して低下していた。 6.以上より、マウスの妊娠・出産→オキシトシンの分泌増加→扁桃体におけるRgs2の発現が増加→抗不安作用という仮説を証明しつつある。
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Research Products
(13 results)