2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18020024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 恵 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (10140641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古江 秀昌 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20304884)
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Keywords | 干渉 / 侵害性応答 / 非侵害性応答 / bursting / 体性感覚皮質 / 同期 / EEG / IPSC |
Research Abstract |
痛みの部位周辺への触刺激が痛みの応答を減弱することはよく知られている。このように非侵害性の感覚情報と侵害性情報の間には干渉作用があることが知られてきたが、中枢神経系のどこで処理されているかは明らかではない。今まで、体性感覚野での情報処理機構については細胞外記録法や細胞内記録法を用いた研究が行われ、多くの事が明らかにされているが、記録手法の制約から詳細なシナプス応答の解析は出来ていない。そこで末梢から伝えられた非侵害性の情報と侵害性の情報が大脳皮質でどのように干渉作用を示すかをin vivoパッチクランプ記録法を用いて解析を行った。ラット大脳の第一次体性感覚野から記録を行い、皮膚刺激によって誘起されるシナプス応答を解析した。ところが殆どの皮質細胞はburstingを示し、これはCNQXによって抑制されることから同期したグルタミン酸線維からの入力と考えられた。また、膜電位を脱分極させEPSCの逆転電位で記録を行うとIPSCが観察されるが、IPSCもEPSC同様同期したburstingを示した。同時に記録したEEGとの関連からEPSCのburstingはEEGの周期と同期して発生しており、一方、IPSCはEEGから約100 msのdelayを持って発生していた。この結果はEPSCによるburstingからある一定の時間遅れてIPSCが発生することを示しており、EPSCによる興奮性の時間をコントロールしているものと考えられた。今後、皮膚への侵害性、非侵害性刺激とEPSCおよびIPSCのburstingとの関連を調べ、両者の間にどのような干渉作用があるかを明らかにしたい。
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Research Products
(42 results)