2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質による体性感覚のトップダウン的制御機構〜シナプス前抑制を用いた動的修飾〜
Project/Area Number |
18020030
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
関 和彦 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 助教 (00226630)
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Keywords | 霊長類 / 脊髄 / 大脳皮質 / シナプス前抑制 |
Research Abstract |
1頭のサルをモンキーチェアに座らせ、手首を屈曲伸展運動の制御用に開発されたマニピュランダムに固定した。その状態で目標とする手首トルクの方向・大きさを示したターゲットをサルの前面に1秒間提示し、遅延時間の後、サルに手首運動を行わせた。サルのサルに1)頭部固定具、2)脊椎チェインバー、3)求心神経へのカフ電極など装着した。今年度はまず脊髄微小電流刺激によってdeep radial神経に逆行性電位を誘発する方法の確立を目指した。同神経にカフ電極を装着できる部位は極めて限られている。そのため、新たなカフ電極を開発し得られる信号-ノイズ比の向上を行った。その結果、脊髄刺激に応じて逆行性応答が記録できるようになった。次に、大脳皮質感覚運動野に記録用チェインバーを装着し、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、前側帯状皮質(CMA)、運動前野(PMv)、一次感覚野(S1)、頭頂連合野(PC)からのフィールド電位の記録を行った。それによって、皮質内微小電流刺激を行うための最適な電極埋込部位を特定した。今後実際に電極を埋込み、脊髄における興奮性試験と並行して行うことによって、随意運動時のシナプス前抑制の責任部位を特定できると期待される。また状況依存的な末梢感覚入力の状況依存的な修飾機構の運動制御研究における大きな課題であり、それらの具体的メカニズムを提案する基盤となる実験技術を確立した。
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Research Products
(8 results)